昨日の、ウォーミングアップにつ好き、本日はセットともなる、
クーリング・ダウンのお話をします。
クーリング・ダウンとは、試合・練習・トレーニングなどの直後、
激しい運動によって疲労した体を、安静時(体温・心拍数・呼吸数等)の状態まで
回復させる為の手段のことをいいます。
クーリング・ダウンの効果についてお話します。
①心臓に対する過度ストレスの軽減
運動強度が高くなると、心拍数が上昇し血流が増します。血液は流れて行ったら、
戻らないといけません。その戻す働きが筋肉にあります。
運動中、筋肉の収縮作用によってポンプの働きをして血液循環を助けています。
激しい運動を急に中止すると、血液を戻す作用が無くなり、
心臓にかかる負担が大きくなります。
運動後も心拍数が上昇したり・吐き気・目眩の原因にもなったりします。
上記の事からも、除々に運動強度を落としていく必要があります。
②筋肉内の疲労物質・老廃物の除去
血液循環が悪くなると、筋肉内に血液が停滞して、うっ血となります。
乳酸などの疲労物質や老廃物なども、血液によって運搬されますので、
筋肉内に血液が停滞すると筋肉の疲労・ダメージが抜けず、柔軟性の低下・
筋肉痛・筋質の低下などを招き、そのままの状態で回復せずに運動を行うと、
パフォーマンスの低下や怪我・スポーツ傷害などを引き起こしてしまいます。
それでは、クーリング・ダウンの具体的方法についてお話をします。
①低強度の有酸素運動
クーリング・ダウンにおいて最も重要な事は、血液循環を適度に保ちながら、
除々に運動強度を落としていく事です。
一番適しているのが低強度の有酸素運動です。
ポピュラーなのはウォーミング・アップと同様、ジョギングですが、
それ以外にもウォーキング・有酸素系マシーン・スイミングなども理想的です。
負担が少なく、よりリラックスした状態で運動を行えるものがベストです。
強度は、苦しいと感じない楽に行える程度で、少なくとも5分、可能であれば、
15~30分位まで行うと効果的です。
しかし、あくまで目安であって自分の体がほぐれていく様子を観察しながら、
強度・時間を決定すれば良いでしょう。
②ストレッチング
主要なクーリング・ダウンの方法の一つですが、
どうしても時間がとれない状況で、有酸素運動と両立出来ない場合は、
有酸素運動を優先させた方が良いでしょう。
ストレッチング単独では、血液循環の促進効果は少なく、
前記したクーリング・ダウンにおいて最も大事な、
血液循環を正常に保つことが出来ません。
それほど、低強度の有酸素運動による、筋肉のポンプ作用・血液循環の促進は、
重要なのです。 しかし両方を行うことで、相乗効果があり、
決して省いて良い物でなく、しっかりと行いましょう。
③アイシング
運動中または、運動後に痛みがある場合、ストレッチングの最中や後に、
速やに痛い部位を冷却しなければなりません。
明確にケガなどの損傷があった場合は有酸素運動の前でも構いません。
また、筋肉をはじめ運動器系の組織は、痛みまでいかなくとも、
運動によって負担をかけると、細胞レベルでは
組織の破壊や炎症などを発生させてしまいます。
この様な場合もアイシングは有効です。 ケガや痛みの強い場合、
15分~20分位を目安に、疲労回復・軽い痛み・慢性痛などは、
10分~15分を目安に行うと良いでしょう。
④その他
筋肉を軽く振ることで循環を促進させたり、足を上に挙げた状態で数分間、
横になるなども疲労回復に有効な方法です。
それでは、まとめます!
必要以上に行われる事の多い、ウォーミング・アップに対して、
クーリング・ダウンは軽視されがちな傾向にあります。
実際の現場でも、目前の試合や練習・トレーニングに対しては、
それに備える為に熱心に行っても、激しい運動後の疲れ切った状態で、
しかもレッスン後や試合や練習の直後だと、
その日の反省やチェックで頭がいっぱいであったり、
アフター練習・ミーティング・時間制限などで、
十分な時間を確保できない事が多いと思われます。
疲れが溜まってきた時、練習・トレーニングの質や量が急激に増えた時、
加齢変性以降(第一次変性は30歳前後に始まります)などは、
慢性的疲労に起因した怪我が非常に発生しやすくなります。
発生確率が高いということは、確率を低くする方法を用いれば、
発生率を下げられるわけです。
それがクーリング・ダウンなのです。
また、怪我のみでなく日々の練習やトレーニングを効率よく、
常にフレッシュな状態で行う上でも欠かす事が出来ないものも、
クーリング・ダウンなのです。
例えば…
●NBAのチームなどでは、試合後の有酸素運動が
義務付けられているところがあります。
●NFLのチームなどでは、試合や練習後に筋肉をほぐすために
ビールを用意しているそうです。
●MLBなどでは、多くのピッチャーが試合後に上半身のための、
アッパー・バイクを漕いだりしています。
上記の様に、様々な工夫がされていますが、日本において軽視される理由として、
効果と、それに基づいた方法論が知られてないが故に、
多くの競技者が実感できていないからだと思われます。
ストレッチングのみで済ませるのでなく、あくまで除々に運動強度を落とし、
正常な血液循環に戻すといった原則を忘れないで下さい。
低強度の有酸素運動を行う事で、運動中に身体のどこかを痛めなかったかを、
チェックする事も出来ます。
運動中は夢中になるがあまり、自分の身体の変調に気が付かない事がありますから、
早期 に不調を発見する意味でも必要です。
逆にそれを怠ったために、怪我の回復を遅らせたり、
後々まで後遺症に悩まされているケースも少なくありません。
クーリング・ダウンは運動が完全に終了した場合に限らず、
練習やトレーニングの合間や小休止にも応用できます。
休憩にてすぐにへたり込まず、軽度の動きを続ける事で、
速やかな疲労回復を図れるのです。
効果的なクーリング・ダウンの方法を身につけ、運動寿命を延ばしましょう!!
それでは今日は、この辺りで終わります。
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バレエ整体を始めスポーツ障害や体の痛みに精通し、
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